設計の工夫と多面加工技術により
高剛性のスタビライザーを制作
バイク用のフロントフォークスタビライザーを作りました。通常のスタビライザーは丸い部分と四角い部分が分かれているものが多いですが、今回、作ろうとするのは高剛性の一体型構造のスタビライザーです。特にネジ部分を目立たせることなく、しっかりと締め付けられる形状と加工方法に苦心しました。
製作DATA
- 使用技術/金属切削
- 素材/アルミA5052
- 加工日数/約2日(設計1日・加工1日)
- 使用設備/NC横中ぐり盤
工程
しっかりと締め付けられうように
ネジ穴の位置に工夫
- 1.
- CAD-CAM(3D)で設計データをプログラミングします。
- 2.
- アルミA5052の板をNC中ぐり盤で削っていきます。このマシンはヘッドが自在に回転するので、斜め加工が可能です。実際の加工はインデックステーブルで角度をつけて、サイドカッターでボルト穴を高精度に加工していきます。
ここが技ありポイント!
ネジをしっかりと締め付け、かつネジ山も目立たない形状と加工方法に工夫しました。どこにネジ穴をあけるかを考え、しっかりと締まる(A)の位置に穴をあけることにしました。設計の工夫とNC横中ぐり盤の多面加工技術により、高剛性なスタビライザーの完成です。
- 3.
- 最後にアルマイト処理を施して完成です。
使用設備
テーブル形横中ぐりフライス盤
(東芝)BTD-200QF
φ1000,1500×1200
1台で5役(マシニングセンター+横中ぐり盤+フライス盤+ボール盤+シェーバ)で作業できるフレックスマシンです。今回は、これ1台で作業しました。テーブル割り出し時間を20秒と大幅に短縮するので、早送り速度や切削送り速度をアップし、ATC時間も短縮してスピーディーに加工できます。
※参考動画はこちら
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私がつくりました
製造部/新井
「シンプルで軽量、しかも丈夫なスタビライザーづくりを目指しました」