皆さんこんにちはHYです。
つい先日弊社にてお取引様向けに講習会&工場案内を行いました!
今回はエンジニアリングプラスチックについての講習です。弊社に樹脂のスペシャリストがいるので講義を担当してもらいました!
エンジニアリングプラスチックとは一般的なプラスチックと比べて強度と耐熱性に優れたプラスチックの事を指します。「MCナイロン」「PET」「POM」「ベークライト」「テフロン」「PEEK」などが有名ですね。
長いので略して「エンプラ」と呼ばれることが多いです。
エンプラの主な用途としては
・ギヤやスプロケットなどの動力伝達。MCナイロンが有名。
・洗浄槽や薬液槽などの容器 テフロンが有名。
・治具 ジュラコンが有名。
etc…
まだまだ書ききれないほどあります。エンプラなくしてはものづくりは成り立たないでしょう。
ではなぜエンプラは製造現場でよく使用されるのでしょうか。
上記でも述べましたが強度と耐熱性に優れているのは勿論
・軽量化がされている
→比重が鉄のおよそ7分の1
・絶縁性
→熱硬化性があり基盤などに使用する為
・帯電防止性
→絶縁性のエンプラにカーボンなどを混ぜると電気を通すようになる。電気が通ると静電気が放電されなくなります。
・静音、低振動
→あくまで金属と比較するとですが…
他には緩衝性、耐摩耗性などが挙げられます。軽量化されていると省力化にもなりますし静音性に優れていると工場内の環境改善に役立ちます。
役立って便利…とはいえ注意点もあります。
・金属と比べて温度に対する変化量(線膨張)が大きいです。その為使用する環境ではどのような温度になっているかを予め想定しておく必要があります。膨張を計算に入れた運用が求められます。例えばMCナイロンを例に挙げるとφ100の加工品は生産環境が10°上がるとおよそ0.09大きくなります。
・エンプラとして有名なMCナイロンには吸水特性があります。保管方法や使用期間によっては膨張により寸法変化が起こる可能性があります。湿度が高い場所ではφ25の穴が0.05大きくなったこともあるとか。
他にも金属に比べると加工精度や荷重条件は劣りますし何にでも役立つ銀の弾丸というわけではないようですね。
さて散々例に出されているMCナイロンですが実はこの名前は「モノマーキャストナイロン」の略称です。色々なメーカーから販売されていて実は各社名前が違います。
三菱ケミカルさんはMC901
タキロンさんはMCN
三ツ星ベルトさんはCN-NB
代表的なメーカーはこの三つですね。図面にMCナイロンと表記されている場合はこの三社の製品だと考えてよいでしょう。
樹脂は普段使っている製品でも他の会社では名称が違ったりするので深堀してみると面白いかもしれませんね。
エンプラの講義が終わった後はお取引様に工場見学をして頂きました。
エンプラの講義をしたこともあり一番最初は樹脂工場を見学して頂きました。五軸マシニングが実際に稼働している様子を近くで見て頂いたり、現場でよく使われている樹脂を実際に触って頂くなどより身近に樹脂加工を感じて頂きました。その後も板金工場や機械工場の設備も一通りご案内致しました。私も弊社設備についてブログ記事を書いていますのでもしよろしければ読んでみてください笑
以上講義のまとめでした~。今後も講義のレポートをお楽しみに~!
またまた真面目にまとめるHYでした~。ではまた~。